4歩目〜みどりの食料システム戦略とオーガニックビレッジについて〜

2025.09.19

4歩目

新規就農、僕は100万円で始めました。

~群馬県館林市でゼロから農業ライフを築いたリアル~


群馬県館林市で2021年3月に新規就農した私が、どんな農家ライフを送っているのか、その実体験を赤裸々に語っているラジオ番組(ぱくぱく農園Podcast)を要約したものです。


みどりの食料システム戦略とオーガニックビレッジについて

みどりの食料システム戦略とは?

「みどりの食料システム戦略」とは、農林水産省が令和3年度に発表し、令和4年度から本格的に動き出した施策です。
一言でいうと、有機農業を推進し、環境に配慮した農業を進めていくための国家戦略です。

公式には、以下のような背景が挙げられています(農林水産省「みどりの食料システム戦略」より):

  • 大規模自然災害や地球温暖化など、農林水産業の生産基盤の脆弱化
  • 生産者の減少や地域コミュニティの衰退
  • 新型コロナによる生産・消費の変化
  • 国際的にも環境・健康・SDGsを重視する動きの加速

こうした状況に対応し、「生産力向上と持続性の両立」をイノベーションによって実現することが本戦略の目的とされています。

有機農業の現実と課題

ここ数年、新規就農者や若い世代が有機農業・自然栽培に挑戦する例が増えています。
しかし、継続できず離農する人が多いのも現実です。

その理由には以下のようなものがあります。

  • 収穫量が少なく安定しない
  • 販売価格が想定より低い
  • 販売先や販路が確保できない
  • 資金が潤沢にない中で家族を養うのが困難

実際に私の地域でも、20代夫婦が有機農業を始めましたが、1年でご主人がアルバイトに出ざるを得ない状況になった例がありました。
このような事例は全国でも珍しくないはずです。

オーガニックビレッジとは?

そこで注目されているのが「オーガニックビレッジ」です。
これは、有機農業にまとまって取り組む地域をつくり、資材供給・出荷体制・地産地消を一体的に推進する仕組みです。

取り組みの一例としては:

  • 堆肥などの有機資材の供給体制づくり
  • 出荷体制や流通網の整備(低CO₂輸送も含む)
  • 学校給食や地域マルシェへの供給
  • 加工品づくりや販売チャネルの拡大

農林水産省は、2025年までに100市町村でオーガニックビレッジ宣言を実現する目標を掲げています。

取り組みの難しさ

ただし、成功事例はまだ全国でも数えるほど。
その理由は以下のような課題があるからです。

  • 有機農業の価値観の違い(マルチ資材を使うかどうか、堆肥の是非など)
  • 量を重視するJAと、品質・安全性を重視する有機農業者の優先順位の違い
  • 出荷先や経営方針の食い違い

そのため、地域でまとまって進めることは簡単ではありません。

公式情報の追加ポイント

以下は、農林水産省「みどりの食料システム戦略」公式ページからの要点です。記事内容を補強するために引用・整理しています。

  • 2023年5月12日、本戦略は「みどりの食料システム戦略本部」で決定され、意見交換やパブリックコメントを経て策定されています。
  • KPI(2030年目標)が定められており、長期的な目標を見据えて進行中です。
  • 2024年度を含む予算・交付金制度が整備されており、「みどりの食料システム推進交付金」などを通じて、地域での取組が支援されています。
  • 「環境負荷低減の見える化」や「J-クレジット制度」「GHG排出削減技術の海外展開(MIDORI∞INFINITY)」といった取組が具体的に含まれており、農業・食品産業の環境対応・気候変動対応が重視されています。
  • 2022年~2024年など、各地域の取組事例集が公表されており、実際の成功・挑戦の現場が見られます。
  • 令和4年4月に「みどりの食料システム法」が成立し、同年7月1日に施行されています。法律の枠組みの中で戦略が進められている点が公式の特徴です。

私の考え方

私自身は、少量でも品質の良い作物を育てたいと考えています。
子どもが「おかわりしたい!」と思えるような野菜をつくり、価格は高くても価値を理解してくださるお客様に届けたい。
大量生産・大量消費型の農業とは違う方向を目指したいと思っています。

これから有機農業に挑戦したい方へ

これから有機農業や自然栽培を始めたい方は、オーガニックビレッジを宣言している市町村で就農するのも一つの選択肢です。

公式情報にもある通り、「みどりの食料システム推進交付金」などの制度を活用することで、資金面や支援面でのバックアップが期待できます。

今はまだ始まったばかりの取り組みですが、これから3年以内に全国各地で広がっていくと予想されています。
農業の未来をつくる挑戦に、ぜひ注目してください。

次回は、オーガニックビレッジの最新の動きや実際の取り組み事例についてもお伝えしていきます。

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