珈琲カスと大鋸屑から生まれる循環
― 堆肥づくりがつなぐ地域と未来 ―

群馬県館林市で有機農業に取り組むぱくぱく農園の大野です。
いま新しい循環の取り組みを進めています。
その主役は、日常の中で捨てられてしまうはずだった“資源”です。
今回使っているのは、
ドトール珈琲(株式会社下山)からいただいた珈琲カスと、
富士室内工芸から提供された大鋸屑(おがくず)。
以前に珈琲カスと大鋸屑をいただいた記事も掲載しています。
一見するとただの廃棄物に見えるこの二つの素材が、畑を豊かにする堆肥へと生まれ変わります。
珈琲カスと大鋸屑の組み合わせ
珈琲カスは窒素分が多く、微生物の活動を活発にする性質があります。
一方、大鋸屑は炭素分が豊富で、水分を吸収する力に優れている素材です。
この二つを組み合わせることで、堆肥の発酵環境が整います。
現在、堆肥は山のように積み上げられ、
温度計で内部温度を確認しながら発酵状態を管理しています。
発酵が進むと内部温度は50〜60℃近くまで上がることもあり、これは微生物が活発に働いている証拠です。
この温度管理が、良質な堆肥づくりには欠かせない工程となります。
廃棄物が“土をつくる資源”に変わる
珈琲カスは本来、飲食店では大量に廃棄されるもの。
大鋸屑も木工の現場では副産物として生まれます。
しかし農業の視点から見れば、これらは土を育てる大切な資源です。
今回の取り組みは、
- 飲食店
- 木工業
- 農業
という異なる分野がつながることで生まれた循環です。
この段取りをつくったのが、地域の企業同士をつなぐ活動を行うメディアトーキングの山元さん。
「一つ一つは小さな連携かもしれない。
しかし、こうしたつながりが積み重なることで、地域の中に新しい循環が生まれていく」
そんな話をいつもされています。
思わぬ副産物 ― カブトムシ
堆肥づくりの話をしている中で、面白い話もありました。
「この堆肥、カブトムシが獲れる!!」
発酵が進み、腐植が豊かになった堆肥は、
カブトムシの幼虫にとっても理想的な環境になることがあるそうです。
その話を聞いたメディアトーキングの山元さんは、こんなアイデアを口にしました。
「群馬キワニスクラブで、子どもたちに配ることはできないかな」
農業の副産物が、子どもたちの笑顔につながる可能性が見えてきた瞬間でした。
小さな循環が地域を変える
珈琲カス
大鋸屑
農業
そして子どもたち。
一見バラバラに見える要素が、
人と人のつながりを通して、一つの物語になっていきます。
それは大きなプロジェクトではないかもしれません。
しかし、こうした小さな循環こそが、地域の未来を静かに育てていきます。
畑の片隅で静かに発酵を続ける堆肥の山。
その中には、土を育てる力と、地域をつなぐ可能性が詰まっています。


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