保育の専門家が語る「問題のあるクラス」の立て直し戦略と実践!22年4月PODCASTまとめ記事

2026.05.16


この対談では、35年の経験を持つベテラン保育士であるオリシーさんが、過去に担当した「学級崩壊」状態にあった5歳児クラスをいかにして立て直したか、その具体的な実践と哲学について語りました。子どもたちとの信頼関係構築を最優先し、一人ひとりの自己肯定感を育むアプローチが中心的なテーマとなりました。


保育園の5歳児クラスで発生した、大人への不信感、生活習慣の乱れ、子ども同士の複雑な人間関係といった「学級崩壊」に近い問題に対し、大路さんは強制的な指導ではなく、個々の信頼関係構築に焦点を当てた介入を行いました。遊びや日常生活の中で「見守っている」という姿勢を示し、子ども自身の「楽しい」という気持ちを原動力に、協力や責任感を自然に育む環境を創出しました。このアプローチは、他の教員や保護者との緊密な連携によって支えられ、最終的に子どもたちの自主性や他者への配慮を引き出すことに成功しました。


・課題の特定: 学級崩壊状態にあった5歳児クラスの具体的な問題行動(大人への不信、生活習慣の乱れ、いじめなど)。
・介入の基本戦略: 全体への指導ではなく、子ども一人ひとりとの信頼関係を築き、「見られている」という安心感を与えること。
・具体的な実践手法: 遊びを通して体を動かし解放させる、楽しい体験(屋外での食事など)を共有する、協力が必要な活動を仕掛けるなど。
・意識の変化を促すアプローチ:「お友達の良いところを見つける」活動を通じて、他者への関心と肯定的な視点を育む。
・自然な結果からの学び: ルールを教えるのではなく、行動の結果(例:遊びすぎるとご飯の時間が短くなる)を体験させることで、子どもたちが自ら考える力を養う。
・連携の重要性: 他の職員や保護者と情報を共有し、一貫したサポート体制を築くことの重要性。


担当した5歳児クラスは、以下のような深刻な問題を抱えていた。

大人への不信感: 担任が変わったこともあり、子どもたちは大人を信用せず、団結して反抗的な態度をとっていた。
基本的な生活習慣の崩壊: 床に唾を吐く、使用済みティッシュを床に捨てる、トイレの後に手を洗わないなど、基本的な習慣が身についていなかった。
二面性と人間関係の問題: リーダー格の子を中心に徒党を組み、気に入らない子に対して意地悪をするなど、表面的には見えにくい複雑な人間関係が形成されていた。
家庭環境のストレス: 家庭では「良い子」でいることの反動から、保育園でストレスを発散し、攻撃的な行動に出る子どももいた。

介入戦略と実践手法

多角的なアプローチでクラスの立て直しを図りました。

・個別アプローチの徹底:「あなたのことを見ていますよ」というメッセージを伝えるため、ゴミを拾わせる、手洗いを促すなど、一人ひとりに具体的に声をかけた。
・体験を通した学習: 強制するのではなく、子どもたちの自発性を尊重。屋外での食事や遊び時間の延長など、子どもの「やりたい」気持ちを起点に活動を組み立て、楽しみながら協調性や責任感を学ばせた。
・自然な協力を促す仕掛け:「落ち葉でベッドを作る」など、一人では難しくても皆で協力すれば大きな楽しみに繋がる活動を通じて、協力する喜びを体感させた。
・自己肯定感と他者理解の育成: 毎日、グループの友達の良いところを見つけて発表する活動を取り入れ、自分と他者を認める習慣を育んだ。
・ポジティブなフィードバック: 些細なことでも、できたことや良い変化を見逃さずに褒めることで、子どもの自信と意欲を引き出した。

子どもたちの変化

介入の結果、子どもたちには以下のような前向きな変化が見られるようになった。

・他者への配慮: 人のせいにするのではなく、「一緒にやろう」と声をかけたり、困っている子を手伝ったりするようになった。
・責任感の向上: 自分たちの行動が全体にどう影響するかを考え、片付けや時間配分を自ら調整するようになった。
・こだわりからの解放: 一つの遊具や遊びに固執することなく、状況に応じて柔軟に遊びを切り替え、のびのびと活動できるようになった。
・協力行動の一般化: 自分のためだけでなく、グループ全体がうまくいくにはどうすれば良いかを考え、行動できるようになった。

 関係者との連携

クラスの立て直しは、一人ではなく、周囲との協力によって成し遂げられたとのこと。

・職員間の協力体制: 自身がクラスに入れない時間帯も他の先生に協力を依頼し、園全体で子どもたちを見守る体制を構築した。
・保護者とのパートナーシップ: 保護者には、園での子どもの様子を伝え、家庭での変化にも気を配ってもらうよう依頼。特に、子どもを問い詰めるのではなく、できたことを一緒に褒めるという共通のスタンスで臨むよう連携した。

次のステップ

今回の対談は前編であり、後編では、この事例から見えてくる具体的な「育児のコツ」について、さらに深掘りしていく予定です。

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