じゃがいもを「いもフライ」にしたら価値は約20倍!?2023年8月23日PODCAST要約記事

2026.09.28

農家が夏祭りに出店して分かったこと

ぱくぱく農園です!

今回は、ちょっといつもとは違う農業のお話。

地元・足利市で開催された足利花火大会で、ぱくぱく農園で育てたじゃがいもを使った「いもフライ」を販売しました。(2023年8月の花火大会)

きっかけは知人からのお誘い。

当初25万人ほどと予想されていた来場者は、なんと45万人!

そんな大きなお祭りへの模擬店出店を経験してきました。

500本くらいなら作れるだろう……甘かった!

販売したのは、栃木県南部ではおなじみの「いもフライ」。

茹でたじゃがいもに衣をつけて揚げ、ソースをかけた串料理です。

今回はもちろん、ぱくぱく農園で栽培したじゃがいもを使いました。

他の出店者の販売実績などを参考に、用意することにしたのは500本。

「まあ、6時間くらいあれば仕込みは終わるだろう」

そんな感じで考えていました。

ところが……。

じゃがいもを洗う。

切る。

茹でる。

串に刺す。

これを500本分繰り返す。

結局、ほぼ一人で仕込みを続け、かかった時間は、

12時間!!

想定の倍です。

農作業でも同じですが、1回なら大したことのない作業でも、何百回と繰り返すと、とんでもない時間になります。

完全に見通しが甘かった……。

これも実際にやってみなければ分からない経験でした。

行列ができた!でも売れない!?

そして祭り当日。

朝10時から準備を始め、知人のキッチンカーを借りて調理し、隣のテントで販売しました。

お客さんの反応は上々。

行列までできました。

これは500本完売できる!

……と思ったのですが、結果は300本。

売れなかったわけではありません。

作るのが間に合わなかった!

原因の一つは、パン粉をつける作業を当日に残してしまったこと。

注文が入ってからの工程が多すぎて、揚げる作業が追いつきませんでした。

今回の最大の反省点です。

イベント販売では、当日はできるだけ「火を通すだけ」という状態まで仕込みを終えておく。

500本売れるだけのお客さんがいても、500本を提供できる仕組みがなければ売上にはなりません。

じゃがいもの価値が約20倍になった!

一方で、農家として非常に興味深い発見もありました。

それが農産物の付加価値です。

じゃがいもを農産物としてそのまま販売する場合、資料で示した価格は1kgあたり100~150円ほど。

ところが、自分たちで加工し、揚げたての「いもフライ」として販売すると、じゃがいものキロ単価に換算した価値は、

約20倍。

しかも、この日一日の売上は、じゃがいもを農産物として販売する年間の売上を上回りました。

「だったら、いもフライを売った方が儲かるじゃん!」

……とは、残念ながらなりません。

調理器具のレンタル代。

油やガス。

容器などの資材。

そして忘れてはいけないのが、12時間かかった仕込みの人件費です。

売上は大きくても、そこから経費と労働時間を考えると、思っていたほど利益が残る商売ではありませんでした。

売上と利益は違う。

農家が加工販売を考えるうえで、非常に勉強になる経験でした。

農家だからできる売り方があるかもしれない

今回の経験から、「農家がイベントに出店するなら、どうすればいいのか」も考えるようになりました。

一つのヒントになったのが、以前マルシェで見た農家さんの販売方法です。

その場で「焼きネギ」を販売する。

食べてもらって、

「このネギ、おいしい!」

と思ってくれた人には、お土産として生のネギも買ってもらう。

これは面白い!

加工品を食べてもらうことが、農産物そのものの試食にもなる。

加工販売と農産物販売を別々に考えるのではなく、組み合わせればいいのです。

これは、農家だからこそできる販売方法かもしれません。

農繁期にはやらない。でも農閑期なら面白い!

もう一つ分かったことがあります。

農繁期にイベントへ出店するのは、かなり大変!

仕込みに12時間かけ、祭り当日も一日動き続けるのであれば、その時間を本業の出荷作業に使った方が効率がいい場合があります。

しかし、これが農閑期なら話は別です。

春や秋など収穫物が少なくなる時期にイベントへ出店できれば、農家にとって新しい収入源になる可能性があります。

そこで考えているのが、

「農閑期まで保存できて、その場で調理して食べてもらえる農産物」

です。

じゃがいもや、さつまいもなども候補になるでしょう。

農産物をつくって、そのまま売る。

それだけではなく、

「育てる→加工する→食べてもらう→農産物も買ってもらう」

までを農家自身がつくれないか。

今回の「いもフライ500本チャレンジ」は大変でしたが、農産物の価値をどう高めるのかを考える、とてもいい実験になりました。

ぱくぱく農園では、これからも農業を実際にやってみる中で気づいたこと、失敗したこと、そして「これ、商売になるんじゃない?」という発見まで、どんどん発信していきたいと思います!

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