農業を始める前に「試せる場所」を
新規就農者・深見さんと農業のこれからを語る
ぱくぱく農園です!
今回は、高崎で農業を営む深見さんをゲストに迎え、ぱくぱく農園の大野が、新規就農や農業経営、そして深見さんが取り組んでいる週末農業スクール「はたけアカデミカ」について、じっくりお話を伺いました。
深見さんの農業スタイルは「少量多品目栽培」。
年間で約50品目を栽培し、その時々の旬に合わせて常時約10品目を出荷しています。借りている畑は約2町(約2ヘクタール)。直売所を中心に、地域の飲食店や八百屋にも直接野菜を届けています。
現在は深見さん本人に加え、正社員1名、アルバイト2名の4人体制で農園を運営しています。
農家出身ではない深見さんが、なぜ農業へ?
深見さんは、もともと農家の出身ではありません。
大学を卒業して約2年間会社員として働いた後、農業の世界へ飛び込みました。
きっかけの一つとなったのが、大学時代に参加した中国でのワークキャンプです。
現地では、その土地に合った作物を育て、自分たちで食べ、さらに販売することで生活している人たちがいました。
その姿を目の当たりにし、「食」というものは人間が生きていく以上なくならないこと、そして農業という仕事の可能性に気づいたといいます。
当時、決して華やかなイメージではなかった農業の世界だからこそ、
「ここに入ったら何か変革を起こせるんじゃないか」
そんな思いもあったそうです。
実は「二度」新規就農している
話を聞いていて面白かったのが、深見さんは新規就農を二度経験しているということ。
最初は地元・群馬ではなく千葉県でした。
大学の同級生と農業法人を立ち上げ、7~8年間運営。
その後、約3年前に地元の群馬へ戻り、改めて独立して現在の農園を始めました。
農業経験そのものは約11年ありますが、群馬で農業を始めてからの年数だけを見ると、実はぱくぱく農園の大野とそれほど変わりません。
ただし、一度農業法人を経営した経験があったことで、群馬での土地探しや地域との関係づくりなどは比較的スムーズに進めることができたそうです。
この「二度の新規就農経験」が、深見さんのもう一つの取り組みにつながっています。
会社を辞めなくても農業を学べる「はたけアカデミカ」
深見さんは自身の「ランドマークファーム」を経営する一方で、社会人向けの週末農業スクール、
「はたけアカデミカ」
を運営しています。
特徴は、今の仕事を辞める必要がないこと。
現在の仕事を続けながら週末に畑へ通い、農業の基礎的な知識や技術を実践的に学ぶことができます。
しかも、単発の農業体験ではありません。
深見さんの畑に専用の圃場を設け、1年間を通して実際に農業を学ぶ仕組みです。資料作成時点では4組の生徒が学んでいます。
深見さん自身、新規就農した当時は気軽に相談できる相手がおらず、苦労した経験がありました。
だからこそ、
「農業をやってみたい」
と思った人が仲間と一緒に学び、相談できる場所をつくりたい。
卒業後についても、全員が農家として独立することだけをゴールにはしていません。
独立する人がいてもいい。
農業法人へ就職する人がいてもいい。
さらに研修や加工業などへ進む人がいてもいい。
それぞれに合った形で農業と関わる入口をつくる。
そこが「はたけアカデミカ」の面白いところです。
「農業をやるか、やらないか」の間があっていい
今回、大野が特に注目したのも、この部分でした。
新規就農には、大きな決断が必要です。
「農業を仕事にしたい」と思っても、いきなり会社を辞め、土地を探し、設備をそろえて農家になるというのは、あまりにもハードルが高い。
では、その一歩手前に、
「まず1年間、農業を実際にやってみる」
という選択肢があったらどうでしょう。
やってみて、
「やっぱり農業を仕事にしたい」
と思うかもしれない。
逆に、
「好きだけど、仕事としてやるのは違うな」
と気づくかもしれません。
それでもいいのだと思います。
「はたけアカデミカ」は、農業を始めることを決断する前に、自分が本当に農業に向いているのかを確かめられる“手前の選択肢”をつくっています。
単なる農業体験ではなく、自分の畑を持ちながら1年間学べる。
新規就農者の大野から見ても、非常に興味深い取り組みです。
新規就農者同士だから話せること
農業には、実際にやってみなければ分からないことが本当にたくさんあります。
作物を育てる技術だけではありません。
土地をどうやって探すのか。
販路をどうつくるのか。
地域とどう関係を築いていくのか。
機械や設備はどうするのか。
そして、農業でどうやって生活していくのか。
深見さんも大野も、それぞれ違う道を通りながら農業の世界へ入ってきました。
だからこそ今回の対談は、単なる農業技術の話ではなく、「農業を仕事にするとはどういうことなのか」を考える時間にもなりました。
農業に興味はある。
でも、いきなり農家になるのは怖い。
そんな人が農業の世界へ一歩踏み出せる場所が増えていけば、農業に関わる人の裾野も、もっと広がっていくのかもしれません。
ぱくぱく農園としても、同じ農業に携わる仲間の取り組みから学びながら、これからの農業のあり方を考えていきたいと思います!


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