「未来に残すのは、野菜ではなく“土”かもしれない。」
つや農園・金田さんが目指す100年先の農業
農薬も使わない。除草剤も使わない。そして、肥料さえ使わない。
館林市で「つや農園」を営む金田さんは、自然の循環だけで野菜を育てる農法に挑戦している。農業を始めてまだ2年目。祖母の畑を受け継ぎ、「自分が食べたいもの、子どもに食べさせたいものを作りたい」という思いから、この道を選んだ。
きっかけは、健康や食育への関心だった。「体は食べ物から、食べ物は土からできている」。その考えにたどり着いた金田さんは、野菜だけではなく、その土づくりそのものに向き合うことを決意した。
目指すのは、野菜本来の味がする野菜。甘みや旨みがありながら、雑味がなく、いくらでも食べられるような野菜づくりだ。
しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。約1年間の研修期間は収入がほとんどなく、貯金を切り崩しながら技術を学んだ。さらに行政へ相談した際には、自身の農法に理解を得られず苦労したという。それでも信念を曲げることなく対話を続け、2年目で「認定新規就農者」の認定を取得した。
現在は個人向けの野菜セットを中心に販売し、収穫量が増える時期には地域の店舗にも出荷している。
金田さんが本当に残したいのは、美味しい野菜だけではない。
「100年後、200年後も、農薬や肥料がなくても作物が育つ畑を次の世代へ渡したい。」
その言葉には、未来へ受け継ぐべきものは収穫物ではなく、「命を育む土」なのだという強い思いが込められていた。
自然農法はまだ少数派かもしれない。しかし金田さんは、慣行栽培を否定するのではなく、多様な農業が共存し、それぞれが認め合える社会を願っている。
未来の食卓は、今日の土づくりから始まっているのかもしれない。
農産物は、Instagram(「つやファーム」で検索)やホームページから直接連絡することで購入可能。


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